映画の話

借金生活における節約について1 自主映画について語る会 その6

僕は自主制作映画によって100万近くの借金を背負ってしまった。
機材やら遠征費やら生活費やらで借金が積もりに積もったわけなのだが、それについては
以下の記事をご参照ください。

自主映画について語る会 その5 映画制作の資金を考えるなんだかんだ叫んだって映画を作るのにはお金がかかる。 そこで、今回は映画を作る上で何にお金がかかってしまうのか、そして資金繰りについて...

現時点ではカメラのローン(残り10万円)以外は返済済みなので、借金生活なんかでやったこととか学んだことを書いて行こうと思う。

借金について考える前に、金利の計算できますか?

金利の高い借金は本当に減らない。減ったと思ったらマジで全然減ってない。
僕は金利の計算をよく知らないままに借金をした。恐ろしい話だ。

ところで、皆さんは金利計算をすぐにできるでしょうか・・・?

30万円を年率14.6%(1年間の利率が14.6%)の金利で1年間借りたとすると、
300,000×0.146=43800
(とりあえずここでは月々の返済額は無視)

30万円を1年間借りるとすると、利息は43800円となって総額で343800円を支払わなければならない。(ここの「1年間借りるとすると」という考え方が結構ミソ)

銀行は人に貸したお金に対して利息を付けることで利益を上げている、ということをよく覚えておいた方が良い。

毎月の返済金額はなんと6000円だから返済も楽!
なんていう謳い文句に騙されてはいけないのである。

ここで、30万円を1ヶ月間借金した時の利息を考えてみる。

300,000×0.146÷365×30=3600(円)

この式は、(借りた金)×(年率)÷(1年間は365日)×(30日間)というものである。
1ヶ月間の利息は3600円である。

6000円返済するとそのうちの3600円は利息で引かれるから、これだと借金は2400円しか減っていない。

返済額が少ないと、どんどん借金の期間が長引いてしまう。
先ほど「1年間借りるとすると」という仮定をしたが、期間が伸びるにつれて利息は膨らんでゆき、金利計算が次第にやりにくくなってゆく。

月々6000円の返済でいくと、最初の月は上で説明したように2400円の返済しかできない。
次の月の利息は、
(300,000-2400)×0.146÷365×30=3572(円) となる。

その月の借金返済額は、
6000-3572=2428(円)。

これをエクセルで計算すると、完済するまで6年ぐらいかかることがわかった。
そして、トータルの利息は17万円ほどになるのである。

生活に困って借金する人がどんな気持ちで借金するのかをよく考える必要はあって、そんな人たちが借金する前に完全な返済計画を立てて借金するわけがないのである。
エクセルを使えば楽に計算できるのであるが、頭の中で計算しようとしても面倒くさくなってしまうのである。
心に余裕がないと、エクセルを使えばよいということすら億劫になってしまう。

銀行のカードローンの紹介ページなんかを見ていると、追い込まれている人の足元掬ってやろうという気持ちでやっているようにも思える。
ってぐらい、利息の説明が不親切だ。

三菱東京UFJ銀行カードローン「バンクイック」

借金してるという自覚

借金が100万ほどに膨らんでから、月々1万円程度の返済では永遠に借金生活が終わらないことにようやく気が付いた。

このままではまずいので、どこをどう節約していけばよいかを必死に考えた。

まず第一は、余計な散財をしないということだった。
当たり前といえば当たり前なのだが、これがなかなか難しい。

周りの人がこれ買っただのあれ買っただのという話を聞くと、自分もそういう生活がしたいと思ってしまい、同じように散財してしまって借金返済にちょびっとしか充てられないなんてことを繰り返した。
さらに、飲み会などにも誘われてしまうので一向に借金が減らないのである。

借金は減らしたいが、人付き合いもしたいし、ある程度普通の生活もしたい。
そんなときに僕はとある本を読んだ。


年収90万円で東京ハッピーライフ

この本は本当にためになり、何よりも気持ちが楽になった。
見栄を張って生きるのは借金生活にとってマイナス以外の何物でもなかったのである。

周りの人と借金のある僕とでは生活水準が違う、ということを意識して生活するように心がけた。

その時から、飲み会のお誘いはできるだけ避けるようにし、コンビニでの買い食いは控えて弁当と水筒を職場へ持参、自炊を徹底的に行なうという生活にしていった。

ここから借金生活で具体的にやったことを書いていきたいと思う。

固定費を徹底的に削る

毎月かかる固定費は減らせば減らすほど良いので、まずは高すぎたネット代スマホ代にメスを入れた。

ネットには固定回線、無線回線などがあるが、僕は家で結構ネットを利用するので固定回線を利用していた。
ただ、固定回線を利用する上で少し前まではネット回線業者とプロバイダー業者(なんなんこいつら)の2つの会社にお金支払ったりしなければいけなくて、少々高くついた。

ここ数年になってネット回線業者だけに支払うだけで良くなったようで、今では月々4000円程度に抑えて利用できるようになった。嬉しい。

つづいてスマホ代であるが、基本的に僕はスマホでLINEとメールとインスタをちょっと見るぐらいなので、月の通信料は1ギガも要らないしスマホ自体のスペックもそこまで重要ではないから格安simフリースマホ(端末代は3万)に1ギガのsimカードを指して使っているので、月に1200円で済んでいる。

借金前はネットとスマホ代で12000円ぐらいだったが今では6000円ほどになった。
半額になったのはすごくでかい。

電気ガス水道に関しては切り詰めると言っても結構タカが知れていたので、特に変化なしで
月合計およそ4500円。

家賃も減らしたかったが、引っ越ししたらしたで引っ越し代がかかるので引っ越しせず52000円のままでいた。

食費

・朝ごはん
学生の頃からの名残で朝ごはん代が勿体ないからという理由で朝飯抜きが多かったのだが、
結局昼メシ一杯食べるからあまり意味がない事に気がつき、せめてパン一枚は食べるようにした。
6切れで100円のパン1枚にジャムとか塗っておよそ20円ほど。これは借金前後で変わっていない。

・昼ごはん
返済に本気になるまで僕は仕事中のお昼ご飯はコンビニで買い食いをよくしていた。
コンビニパン1個ではお腹が空いてしまうので、いつも3個ぐらい買っていたので昼ごはんのみで毎日400円近く消費していた。
それが月に20日続くとすると8000円もの消費になってしまう。

これは良くない。
ということで僕はお弁当男子になった。
お弁当とは言え毎日作るのは結構労力がかかるので、朝に炊いた米を詰め、冷凍食品(1袋に6個入りのハンバーグなど)を2品入れたお弁当であった。

この冷凍食品は1袋170円ほどでだいたい4日分あるので、一回のお弁当代は100円いくかいかないぐらいの値段だろう。

昼ごはん代は4分の1ほどに縮小できた。

・おやつ
僕はおやつを食べるのが好きである。
映画を観ながらポテチと牛乳が鉄板メニューだった。
しかし、これも結構お金がかかってしまう。
ので、いかに寂しい思いをせずに節約するかである。

そこで登場するのがアメちゃんである。

アメちゃんはただの砂糖の塊ではあるのだが、1袋150円ほどで20個ぐらい入っているので結構楽しめる。

一時期僕はパインアメばかり食べていたので、影で「パインアメ」と呼ばれていたらしい。

・晩ごはん
昔からあまり外で食べる習慣はなかったのでずっと自炊中心。
ただ、あまり節約について考えず買っていたので、自炊するにもかかわらず1回の食費が500円近くになることもあった。(ステーキとか結構焼いていた)

流石に贅沢しすぎだなということで、お肉は鶏むね肉に変更。ぱさぱさであるがまあ腹には溜まる。

・外食や飲み会について
外食するとやはり高くついてしまう。
ランチ1回だけでも平均して700円は軽く飛ぶ。
これは良くない。

と思ったので、誘われても適当な理由をつけて積極的に断ることを続けたのである。
「お金ない」と言うと奢るよと言ってくれる友人が多いから、さすがに申し訳なさすぎるので「予定があわない」と言うか未読スルーなんてことをよくやったもんだ。(ごめんなさい。でもあたしゃ必死だったのよ)

するとあまり誘われなくなってきたので、返済に充てた。

給料全部返済に充てる

利息ってもしかしたら借金した金を手元に持ってるから積み重なっていくんじゃないの?と僕は思った。

30万借りたとしても、30万すぐに返してしまえばそこまで利息はかからないはず。

その理論で、給料が振り込まれたら全額借金返済に充てた。
自分の預金口座はゼロになってしまうので、生活費は必要な時に必要な分だけ借金するという生活を続けた。

生活費のために借金するときは非常に嫌な気持ちであった。
それがますます僕の節約生活のモチベーションを上げていく理由にもなっていたのである。

節約について書いていたら予想以上に長くなってしまったので、続きはまた次回。