旅の準備(雑記)

借金1億円あった人が書いた本のはなし 自主映画について語る会 その8

借金100万円が可愛く思える

全ての借金を払い終えてから、こんな本を読んだ。




桁が違った。1億2000万円。
120倍である。

僕の100万円近くの借金など大したことはなかった。
しかし返済に追われていた時期は大変でだったことには変わりはない。

100万でも苦労したのであるが、
流石に借金が1億円を越えてしまうと普通に働いてでの返済は容易でないだろう。

年収300万円の仕事を続けて、1億円の返済に一体何年かかることか。(年収300万に1億貸すってかなりのリスクだから相当悪徳な業者であるが。)
単純に考えて、年収300万が1億円に達するまで30年以上はかかる。手取りベース、可処分所得ベースで考えると更に年数がかかるわけで。

そして大抵の借金には利息が付き物であるから返済額は1億に留まらない。年率3%だとしても一年で300万の利息になるわけだ。利息の返済だけで300万を使い切ってしまうわけだから、永遠に返済が終わらないわけだ。

年収が上がって1000万円になったとしても、10年はかかる。(このご時世雇われの身で年収1000万行く人ってどれぐらいなのだろう)

うむ。普通に働いて返せるようなもんでない。

じゃあどうすれば?

お金の味の著者がとった行動は毒をもって毒を制すということだった。

減らない借金はどうしようもないもんである。
今以上に借金が増えたとて何も変わらないと考えさらに借金をしたという。

追加で借金しちゃうの?って感じになるわけであるが、その先のお金の使い方が違った。

さらなる借金で不動産を買ったのだ。
不動産を買って家賃収入でお金を得るという作戦である。

これなら何もせずに家賃収入が入ってくる間に、他のことをやってお金を稼ぐことができる。
そうやってどうにか1億2000万を返済するに至ったという。

解決方法は意外とシンプルなものであるが、これがなかなか難しい。

お金は循環するもの

僕は借金を返済してからお金に対する考えが少し変わった。

昔は0か1かそんな感じのようなもの、自分が働いた分だけ手に入り使ったら無くなるものだという風に考えていた。

しかし最近お金は流動体のように感じることが多い。
(銀行ネタの多い池井戸潤作品を読んだ影響は大きい。お金は血液だという表現が多いのである)

何か事業を行なうためにはまずお金を投入し、そこから事業を動かしお金を循環させて投入したお金を回収する。儲けたお金は再投資に使う。

自分の時間や技術を切り売りしてお金を得ているだけだと、お金の循環にあまり気づきにくいなと感じる。

僕たちの労働もこのお金の循環の中に本来組み込まれているわけである。
会社は人にお金を投入して、そこから得られる成果物で利益をあげ会社を大きくしていく。
つまり人にお金を渡して、お金を循環させているのである。

人がお金を使うとき、手元からお金は消えていくが、お金そのものが消えて無くなるわけではない。お金は別の誰かの元へ流れていく。当たり前のことであるが、それが結構大事だったりする。

何にお金を使うか

会社が人を雇って給料を支払うことも、自分へのご褒美でモノを買うことも、手元からお金が消えていくことには変わりはない。

しかしながら両者には決定的な違いがある。

会社は人にお金を渡してさらにお金を得ることができるが、ご褒美でモノを買ってもお金を得ることはできない。(満足感や幸福感は得られるとは思う)

雇用を買い物だと考えると会社はお金を生むものを買っているが、ご褒美でモノを買う人は手元からお金が消えるだけに終わる。

お金を生むもの(すなわち資産)を買っていないから、お金のことを0か1かのもののように捉えてしまうのだろう。
使ってしまってそれで終わりだから。

利回りで考える

お金を使うときにどれぐらいの利益が自分にあるかを考える必要はある。
貯金を取り崩してモノを買うときはもちろん、借金を使う場合はなおさらだ。
ただ、借金を使ってお金を動かすときに0か1かの考え方は捨てるべきではあると思う。

借金に対しての利益が少しでも上回っていたらそれで良いのだ。

利回り何パーセントみたいな表現が使われることが多いが、ざっくり言うとこんな感じだろう。

100万円借りたとする。で、利息が1年間で15万。(利息は借りてる期間で上下するから、ここでは1年間借りたことにする)
返済額は1年間のトータルで115万円。
100万円を借金した1年後に、借金したお金を動かして手元に115万100円でもあれば勝ちは勝ち。
(これでは利息との勝負感が強いが)

ビジネスを大きくする上で、どれだけのお金が動くのかを考えるのは非常に大事だ。
リターンがあるのかをしっかりリサーチしある程度の予測を立てて、資金を回収していくことに借金を利用していく。

だからこそ、お金が本当に0か1かにしかならないような賭け事などに借金を突っ込むことほど愚かなことはないのである。
賭けで借金返済して大金が手に入ったとしても、お金に対する基本姿勢が変わらない人は借金を繰り返すだけになると僕は思う。