スペイン編 オリーブ畑でつかまえて

秘境モンセラットからの切符トラブル オリーブ畑でつかまえて その7 夫婦放浪記 スペイン新婚旅行編

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バルセロナの朝は暗い

お腹が痛くて、変な時間に目覚めた。時刻は3時ごろ。
日本時間に直して考えると変でもなく(日本時間は10時ごろ)、時差ボケは確実である。

今まで行った国では日本時間との時差はせいぜい大きくても3時間だったので、
7時間も違うと時差ぼけを起こしてしまうものなのだなと、また僕は少し大人になったのである。

前日は移動移動移動だったので、もう一度眠ることにした。

6時半ごろに再び目を覚ます。
朝ごはんにはちょっとしたスーパーで買ったチーズと果物を食べた。

この日は「黒のマリア」像を見に行こうということで、モンセラットというバルセロナから少し離れたところへ向かう予定だったので、7時半にはホテルを出発した。

7時半にしてはどう考えても暗い。真夜中かここは。

秘境?モンセラット

サグラダファミリア駅から地下鉄に乗り、スペイン広場のあるEspanya駅へと向かった。

モンセラットへはEspanya駅からカタルーニャ鉄道のR5号線Manresa行きに乗り、
Montserrat-Aeri駅で降りてそこからロープウェイに乗ると辿り着ける。

カタルーニャ鉄道は、空港の駅で買った2日間乗り放題券が使えた。

この切符を使ったら、すんなりと改札口に入れて電車にもすんなりと乗れた。

1時間ほどして
ロープウェイのあるMontserrat-Aeri駅に着いた。

改札らしきものが見当たらない。
この機械に切符を通してどうにかするのかと思い、試してみるものの今一よくわからない。

帰りはどうするんだ?と一人思いながら駅を後にした。

電車を降りていく人の波に乗り、ロープウェイの券を買い、ロープウェイでモンセラットの山頂へ向かった。

結構な勢いで上昇した。

僕は高所恐怖症なのでやはりロープウェイが怖い。
色んな穴という穴から冷や汗をかいた。

ちなみに妻は鳥恐怖症である。筋とか口の中がが怖いらしい。
だが食べるのは好きだ。

秘境のような雰囲気の山頂に到着した。

少し奥へ行くと思っていたものとは違い、普通に街が存在した。
人がいないような秘境を想像していたのだが、よくまあこんな高いところに街を作ったもんだなと妙に感心した。
64ゼルダ感すごい。

さて、モンセラットへは触ると願いを叶えてくれる「黒のマリア像」というのがあるってことでやってきたわけであるが、マリア像を間近で見られる時間は決まっている。

早く来たつもりであったが、もう午前中の受付は終わってしまっていた。
午後の部で見ても良かったのだが、バルセロナで他にも回りたいところがあったので、泣く泣く諦める。

人生時には諦めも肝心さ、なんて言いながら。

一応遠くからは見ることができたので良しとしよう。

キャンドルもええ感じ。

お昼ご飯を食べ、モンセラットを後にした。

切符トラブル

Montserrat-Aeri駅に着いたのであるが、改札らしきものがない。
そして線路も一直線だ。
複数の電車が行き来するのでなく、同じ電車が行き来しているらしい。

それが理解できず、降りたところから乗るのか?と
しばらくうろうろしたが、駅のホームは一つしかない。

改札もない。駅員もいない。

切符はどうすればよいのだ?

電車が来たら車掌さんか何かがいてなんとかしてくれるだろう。
そう二人で話しして電車に乗るが特に車掌さんが切符を管理してるわけでもない普通の電車がやってきた。

とりあえずスペイン広場に戻ったらなんとかなるかなということで、カバンを抱えて泥のように僕は電車内で眠った。

妻は眉間にしわを寄せて眠る僕の似顔絵を描いていた。

気がついたらEspanya駅に到着していた。

バルセロナの地下鉄では駅構内に入る時に改札で切符を通してしまえば、駅から出るときにはそのまま出るだけで良い。

が、カタルーニャ鉄道の帰りは違っていたのである。
駅から出るときに切符が必要となっていた。

持っている切符を通してみるものの、改札を通過できない。

うむ。これは困った。

周りを見回すと僕たちと同じような状況の人たちがいた。
彼らは駅員さんにどこかへ連れて行かれてしまった。

どうしようかね、
運賃払って出たらいいか、
なんて話していると駅員らしきお兄さんが歩いてきたので、
持っている切符を見せてモンセラットから来たんじゃと身振り手振りで話しすると、全てを察してくれたようで通っていいよと言う。

え?いいんかい?
と聞くと、

ええよええよ、この切符高かったでしょ?
とお兄さんはニコやかに言う。

なんかよくわからんが行って帰って来れた。
ありがとうお兄さん。

つづく