映画の話

自主映画について語る会 その5 映画制作の資金を考える

なんだかんだ叫んだって映画を作るのにはお金がかかる。
そこで、今回は映画を作る上で何にお金がかかってしまうのか、そして資金繰りについて考えようと思う。
今まであまりどんな機材買ったかをまとめたことなかったので、トータルの値段考えるのは初めてのことでビクビクした。

機材にかかるお金

映画は2ドルで撮れる!なんて豪語してる方もおられますが、それは機材代抜きでスタッフ代とかケチっての話なんですか?お兄さんと言いたい。(ちょっとした映像をこれは映画ですと宣言すれば映画になるのだけども)

まぁ、機材はピンキリなので、ぶっちゃけカメラは何だっていい。
iPhoneだって十分撮れる。パソコンだってそこそこの中古品手に入れて中身を入れ替えたら十分に編集できるはず。
ただ低予算だと表現の幅が狭まってしまう、ってのはある。(pcが重すぎてエフェクトかけられないとか)
ただ機材は一回買っておけば減価償却できるものなので、あんまりケチんないのが良い。(沼へようこそ)

とりあえずうだうだ書いていても色々なものがピンキリなので、
僕が映画作っていたときの機材を書き出そうと思う。
ちょっと少し前の情報になってしまうけども、値段感とかが参考になるかな?(ならないかな?)

撮影機材

そのとき使っていたカメラはLUMIX GH3。

当時8万円ぐらいで買って、2万ぐらいの安いレンズで頑張った。
これにバッテリーもう一個追加して、三脚買って、純正の外付けマイクも買って、トータルで14万円ほど。
それに外部モニターなんかも買っちゃっていたので、4万円プラス。

おうふ、すでに18万。

さらに安いボイスレコーダーとピンマイクを3セット揃えてトータル3万。
記録用のSDカードも何枚かでトータル2万は行く。

撮影用の機材だけで20万は超えている。

そこから編集機材へ行く。
まずはpc。windows なのでmacよりは安上がりでハイスペックにできるのであるがやはり10万円は出さないとサクサク編集はできない。ので、12万ほどのpcを買った。
(core i7 でGPUはGeForce GTX 750ti とか何回か入れ替えたりSSDとかにもしたので、だいたいトータル20万)

そして動画編集ソフト(Adobe Premiere Pro & Aftereffects)である。
僕が学生のころは今のような月額料金ではなかった。
そのころは買い切り型で、学生版でも8万円はかかった。通常版は20万円ほどだった。

絶対に月額料金の方が今から始める人にとってはありがたいことだと思う。
ソフト買うまで動画編集できないもん。
(トータルで見るとアドビ税め…となる)

そのほかデータ保存用のHDDとか外付けモニターとかで、編集機材でトータル30万ほど。

ここまででおよそ50万に到達。(減価償却の考え大事)
もっと必死こいて探せばもっとコスパのいいものもあったはずだが、機材のレベルが2019年現在と5,6年前とでは全く状況が違っていたようにも思う。
一眼レフでフルHDで60コマの動画が撮れるなんてすげ〜みたいなレベル感だったもの。

キャスト代、スタッフ代、場所代

拙い僕の映画に出てくれると言うのが申し訳なさ過ぎるので、キャストの方にはお礼をちょっと出したりした。
タダで出るよと言ってくれた方もおられるのだが、申し訳なさすぎてお金払うしかない。
(タダほど高いものは無いことをこのとき学んだ)
大体1人あたり1日5000円かなというところである。

スタッフ代に関してはごはんご馳走したりということが多かったかな。。
手伝ってもらうのが申し訳ないので、極力自分一人で頑張るのを心がけていた。

場所代はどこで撮影をするかにも依るが、ライブハウスを3時間程度借りたりして撮影した時には3万円ほどかかった。
カフェとか居酒屋での撮影は基本的に店長さんのご厚意で撮らせてもらうことが多かったので、マジで感謝です。

で、人件費などを合算するとざっと凡そ10万とかそのぐらいだろう。

資金繰りは?

カメラ代とか人件費をトータルすると60万円ほどになる。
これらは1度に支払ったわけではなく、機材なんかは学生時代から何年かかけて買い揃えていた。

それでも結構まとまった額のお金が出て行くものではある。

大事なのは、そのお金をどうするかだ。
考えられる資金は、貯めると借りるだ。

まず貯めるについて。
働いて稼いだお金は全て機材に投入する。
学生時代、バイトで稼いだお金は大体機材に消えていた。
服なんかも実家に帰った時に親に買ってもらうか、兄貴の服を勝手に貰ったりとかで済ませていたのである。
服買うぐらいなら機材買えをモットーにしていた。
(ゲームは買ってたけど)

お金をある程度貯めて機材を揃えるのが1番良い。
映画撮ってるうちに知り合った監督さんは、何年かかけて200万円ほど自力で貯めて映画を撮ったらしい。

続いて、借金である。
借金と言うと聞こえが悪いので融資としたいが、まあ借金は借金だ。

上京してからしばらくはずっとアルバイトをしていたので、どうしても資金も足らないし、生活費も足らなかったのでお金を借りてしまっていた。
そもそも生活費が稼げなすぎていたのが良くなかった。

学生の頃に買った機材が使っているうちにボロボロになったりして買い換える必要があったからである。
ので、高いカメラなんかは4年ローン組んじゃったり、他のちょっと高い機材なんかはクレジットカード使って分割払いしまくった。

手元に必要な現金借りるときには三菱ufj銀行のバンクイックなんかを使ったりしていたが、金利が年率14.6%だったりした。

最終的には、機材代やらのローン含めトータルで100万近くの借金となってしまった。
これこそが僕の東京生活を地獄に落とした元凶である。

借金生活の詳しい話は次回。
つづく