スペイン編 オリーブ畑でつかまえて

旅の終わりに オリーブ畑でつかまえて 最終章 夫婦放浪記 スペイン新婚旅行編

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やばそうな店に入ってしまう

ようやくホテルにたどり着き、一息入れたのであるが、
お腹が空いてきた。

その辺のスーパーで適当に買って済ますのでもよかったが、スペイン滞在最後の晩御飯になってしまうのでどこかで肉肉しいものを食べようかということでデモの中を再び歩く。

デモのせいなのか時間が早かったせいなのか、やっている店が少なかった。
歩けども歩けども、やっている店は無い。
そして人。人。人である。

Google mapでやっているお店を探すと、割と近くに肉があるっぽいお店があったので行ってみることにした。

店は何だか薄暗い。
時間も早かったため客いない。

中に入ると奥から中国人のようなおじさんが出てきた。

・・・・・。

おじさんも我々もお互いに黙る。
そしてなぜかニヤけるおじさん。

いや、客に何か言ってくれ。おじさん。

英語で、メシ食いたいんやが?
と聞くと何も言わずに席に案内された。

異様な雰囲気だ。

テレビではデモの様子が映しだされていた。
なんだか奥に連れていかれてミンチにでもされてしまうのではないか。
ああ、我々はスペインでみじん切りになってしまうのか、なんて妄想を一人でしていると、

なんかクセ強めだね、と妻。
こんなときでも妻はうまいように言う。

こういう言い回しが得意なようで、ネガティブなことは全く別の表現
「噛み応えあったね」や「個性的だね」、「かえって味があるね」
といったようにプラスになるような言葉を使って相手を不快にしないようにする。

うまいこと言うね~なんて思っていると
料理が出てきた。

肉。

妻が頼んだ焼きそばのようなもの。油油している。

メニューを見て気が付いた。中華料理屋だったのだ。(食べ終わるころには普通にいっぱいお客さんいて、家族で経営してらっしゃるお店でした)

サグラダファミリアの内部

ホテルは快適であった。

朝早くからサグラダファミリアの内部を見学しに行く予定だったので、チェックアウトせずにホテルをでてサグラダファミリアへ向かった。

音声ガイド付きで見学した。
光の入り方が美しい。

サグラダファミリアは2026年に完成するそうだが、建設途中のサグラダファミリアを見られるのは今だけで、今後は完成した状態でしか見られたいのだと思うと何だか感慨深い。

完成したらもう一度見に行きたいものだ。

パンが焼けるのを眺めよう

ホテルに戻り荷物をまとめてからホテルの下にあるパン屋で朝食をとる。

やはり焼きたてのパンはうまい。

席のすぐ横ではお店の人がパンを焼いていた。

我々がじっとその様子を見ていると、たまにニコっとしてくれたりする。

ついつい食欲をそそられ、隣で作っていた焼きたてのパンをいただく。
ついでに買ったオレンジジュースが塩の辛みでやられた喉を潤す。

横でパンを作る様子を見ながら

美味しいね、

と妻は言った。

旅の終わりに

帰りの飛行機はパリ経由で帰ったのだが、一つ気がついたことがあった。
スペインとパリの時刻は同じなのだ。

色々と腑におちた。
だからスペインの時間がズレているのだ。

朝8時でもまだ暗いこと、昼ごはんが14時ごろ、夜も20時からオープンする店が多いこと。

スペインの時間は結構ズレているというのはパンフレットで見てはいたが、実際に行ってみると結構感覚がズレてしまうというのはすごく感じた。

スペインにはスペインなりの基準があるのでこれが普通なのだろうが、EUの中心となる国では7時に日が出て12時にお昼ご飯19時に晩ご飯なんていう時間で生活しているのだと考えると、EU内での力関係を思い起こさせられる。
国ごとで時間を分けてもいいだろうに。

(そもそも一体誰が7時が朝でないといけないというルールを決めたのかはわからないが)

こんな感じの発見を含め、スペインでの旅は学びが色々とあった。
当初はもっとお気楽な旅行を考えていたのだが、台風に遭ったりデモに遭ったり新婚旅行らしからぬものとなったように思う。

それで良かった。

旅行は楽しむもの。旅は自分のレベル上げるもの。
これに当てはめて考えると今回のは旅だった。

自分たちで相談してルートを決めて、チケットを買い、トラブルも何とか切り抜けて無事に日本に帰って来たわけである。

これでレベルが上がらないわけもなくて、自分たちで何とかしていくのが楽しい。
自分のダメさ加減を再確認してどう切り抜けていくのか考えるのが楽しい。

ただ、妻と数日間スペインに滞在していて不思議に思ったことは
初めて一緒に行く海外なのに既に何カ国も旅をしてきたかのように感じたことであった。

コロナウイルスが終息したら、再びどこかへ旅をしたい。
いろんな国の人々を見てみたい。