映画の話

観なきゃいけない作品が多すぎる件 スパイダーマン ノーウェイホーム

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サムライミ版『スパイダーマン』が公開されてから20年、
『アメイジングスパイダーマン』が公開されて10年が経とうとしている。
そんなスパイダーマンシリーズの集大成というべき作品が『スパイダーマン ノーウェイホーム』だ。
大人の事情など色々あったので(ソニー・ピクチャーズとディズニーに買収されたマーベルとの関係とか色々ややこしい)、映画のスパイダーマンシリーズは3つに分けられる。

一つ目がサムライミ版の『スパイダーマン』シリーズ。3作品。トビー・マグワイアが演じた。尻軽MJで有名。3作綺麗にまとまっていて名作。

続いて『アメイジングスパイダーマン』シリーズ。2作品。
アンドリュー・ガーフィールドが演じた。軽快なスパイダーマン。粗い脚本と賛否両論ある結末で興行的に振るわず2作で中途半端に終わる。僕は嫌いではなかった。

そしてトム・ホランド演じるシリーズ
『スパイダーマン ホームカミング』
『スパイダーマン ファーフロムホーム』
『スパイダーマン ノーウェイホーム』の3部作。
このシリーズは『アベンジャーズ』シリーズとガッツリ関わりがあり、色々観てないと物語を把握できない可能性があるので、いきなり観ると「誰?」みたいになることがある。
(『アベンジャーズ』ガッツリ関わりのある話なのに、『アベンジャーズ』はディズニースパイダーマンはソニー・ピクチャーズという大人の事情で打ち切りになるかもなんていう話もあったらしい。)

いや、どんだけ観なきゃいかんのよ

今回の『スパイダーマン ノーウェイホーム』を観る上で、『ホームカミング』『ファーフロムホーム』はもちろんのこと、サムライミ版『スパイダーマン』3作品、『アメイジングスパイダーマン』2作品は観ていないといけない。

さらに『アベンジャーズ エンドゲーム』からの流れを汲んだ作品なので『エンドゲーム』を観ている必要がある。

そして『エンドゲーム』を把握するためには
『アベンジャーズ』
『アベンジャーズ エイジオブウルトロン』
『アベンジャーズ インフィニティウォー』
『アイアンマン』
『アイアンマン2』
『アイアンマン3』
『キャプテンアメリカ』
『キャプテンアメリカ ウィンターソルジャー』
『シビルウォー キャプテンアメリカ』
『マイティ ソー』
『マイティ ソー ダークワールド』
『マイティ ソー バトルロイヤル』
『ガーディアンズオブギャラクシー』
『ガーディアンズオブギャラクシー リミックス』
『アントマン』
『アントマン&ワスプ』
『ドクターストレンジ』
etc…..

これに加えて『ヴェノム』も一応観ておく必要がある。

観るのにどんだけハードル高いんだ、という気はするが全部観ていると『ノーウェイホーム』が本当に楽しめるのでいっぱい観ましょう。

直前にスパイダーマンシリーズ復習しておくともっと楽しめるかと思います。

ここから先ネタバレいっぱいあります。

スパイダーマン ノーウェイホーム感想

あっけなく開いたマルチバースの扉

『ファーフロムホーム』の最後でスパイダーマンの正体がピーターパーカーだと全世界に知れ渡り、そのせいで周囲の人に迷惑がかかるからスパイダーマンはピーターパーカーだという記憶を世界のみんなから消してよってんでドクターストレンジに頼みに行くピーター。

君も苦しんだからな、っていう理由であっさりとオーケーするストレンジ先生。
記憶を消すってそんな軽い感じの魔術だったのね、という気がしないでもない。
だから失敗するんだよと言いたくなるレベルではあったが、こうしてあっけなくマルチバースの扉は開いたのである。
(今度のドクターストレンジの続編ではその報いを受けるそうな)

やっぱり出てきたスパイディ兄貴たち

『ノーウェイホーム』の予告編でマルチバースから過去作の敵が出てくるってことで、(スパイダーマン1人に対して敵が飛びかかる角度がおかしいとかで予告編では何か隠していると話題になっていた)
ひょっとしたら過去作のスパイダーマンも出るのではと噂されていたが、ひょっとするとであった。

出るのかな?やっぱり出ないかなと思っていた中盤ぐらいに、ネッドがストレンジの魔術つかってピーターを探そうとしたらアンドリュー・ピーターとトビー・ピーターが出てくるという不意付き。
トビーマグワイアはなんかトムハンクスっぽくなってしまったなぁー、なんて時の流れを感じた。

どの作品のスパイダーマンも基本的に大事な人を失うことが多く一人孤独に戦っているのだが(スパイダーマンの他にアベンジャーズのようなヒーローは存在しない)、別の世界線で同じように戦っているスパイダーマンがいることを知ってさぞ心強かったことだろう。
最近過去作を改めて観返してみてスパイダーマンの孤独さをヒリヒリと味わったので彼らの出会いは感動的だった。

アンドリュー・ピーターがMJを助けたのも感慨深いもので、(彼はMJを救えたことに涙していた)グウェン救えなかったもんな…。グウェン死なせたせいで不評でになって打ち切りなったのかな…。

色々と過去作でやるせなかった部分が今回報われていたりと、何だかちょっとハッピーになれるような部分も多かったように思う。
それでもメイおばさんの死はやるせなかったが。

ラストの選択について

ある程度年齢重ねてから改めてスパイダーマンシリーズを観直してみると、「ヒーローの孤独さ」みたいなものがヒリヒリと伝わってきて、こんなにヒリヒリする映画だったかな?という印象を受けた。10代の頃にスパイダーマンシリーズをリアルタイムで観ていたときにはこんなことは感じなかった。(ヴェノムに乗っ取られて女の子にちょっかい出しまくるところしか覚えていなかった)

ピーター・パーカーはいい奴だ。
お金持ちでは無いし、いじめられっ子だし、ちょっとオタクだし、でも思いやりがある。(それでトラブル起こしがち)
それなのにピーターは家族も友人も恋人も失い、ひとり孤独に闘う。

ノーウェイホームでのラストで、トム・ピーターは世界中のみんなに存在を忘れられるという選択をするわけだが、スパイディ兄貴達と出会って孤独では無いと感じたからこそ、あえて孤独になるという道を選ぶことができたのではないだろうか。

僕はこの親愛なる隣人を愛せずにはいられないのだが、もう会えないのかもしれないと思うと涙がちょちょぎれてしまうのであるよ。