映画の話

極悪人なら極悪人らしくしなさいよ 『スーサイド・スクワッド』

ワーナー・ブラザーズ

『マンオブスティール』
『バットマンvsスーパーマン~ジャスティスの誕生』
から続くDCコミックのDCエクステンデッド・ユニバースの3作目にあたる『スーサイド・スクワッド』。

本作に登場するハーレイクイン単独の映画、『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』が公開されたが、コロナウイルスの影響で映画館がやっておらず観られず仕舞いになってしまった。

BIRDS OF PREYを観る前に前日譚にあたる『スーサイド・スクワッド』を観よう観ようと思っていたのだがあまり評判が良くないことも相まってずるずると先延ばしをしていた。

いい加減観ようと思ってようやく今回観るに至った。

ので、書く。

スーサイド・スクワッド 超適当なあらすじ

毒を以て毒を制すという考えで国の危機を乗り越えるため政府が極悪人たちを集めて結成した決死部隊スーサイドスクワッド。
こいつら絶対言うこと聞かんやろと思われたが案外みんなのために闘ってくれたのである。

スーサイドスクワッド 感想

以下ネタバレ含みます。

全体的に地味であった。
キャラクターはコミック原作なだけにそれぞれ個性は際立っている。
のであるが、なぜこんなにも地味だと感じたのか。

華の無い戦闘シーン

なんというか一番の原因は戦闘シーンの地味さだろうか。
良いキャラクターがたくさんいるはずなのに戦闘シーンが地味だ。
良いキャラクターなのに使用する武器が地味なのが多い訳で。

メインキャラクターの使用武器を見てみると

デッドショット 
ハーレイクイン 銃 バット
エル ディアブロ 
キャプテンブーメラン ブーメラン
キラークロック 殴る
カタナ 
スリップノット 

うむ。地味なのが多い。
エル・ディアブロの炎が一番華があるんだが、これが強すぎてパワーバランスが崩れるためか
本人は戦闘に非協力なのである。(銃撃戦で時間かかっていたものを一瞬で一網打尽にしてしまう)

大体が銃撃戦か殴り合いでガチャガチャやって終わりというパターンも多く、あんた何やってたのみたいなキャラクターも多い。(横から声援を送ってはいたけれど)

アベンジャーズと比べるものではないが、スーサイドスクワッドの戦闘シーンは圧倒的に華が無い。

パッとしない戦う理由

スーサイドスクワッドに出てくるメインのキャラクターは一応極悪人設定だ。
しかしこの極悪人たちが愛だのなんだのと御託を並べるわけである。
ジャレッド・レト扮するジョーカーもただの良い人であった。

我々観客はそういうのを求めているわけじゃないんだよ。
そんなのは一昔前の映画で十分なわけで、どっかのダークヒーローと同じではないか。

極悪人ならば極悪人らしく自分たちの正義(我々には理解できない正義)でもって
ヒャッハーしながら戦ってくれるほうが圧倒的に観ていて楽しいだろう。

極悪人が人のために戦うというのは結果的にそうなっただけで、最初から極悪人が人のためになるのを目的に戦ってしまってはいかん。

偽善者を好ましく思わないように偽悪者も好ましく思わないのである。(多分)

キャラクターとか設定とか素材は良いので、もう少し上手く料理できたのではなかろうか。

スーサイドスクワッド2の制作が進み始めている噂もあるようで(脚本はガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの人)、
次回作では、彼らには自分たちのためにだけ戦って欲しい。

ただ、マーゴット・ロビー扮するハーレイクインのケツは最高でした。