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クアラルンプールへ
乗った飛行機は夜11時半羽田発で、クアラルンプール国際空港(KLIA)に到着したのは現地時間で朝の6時ごろだった。
景色を眺めながらボーッとするのが好きなので窓際の席が良かったが、通路側の席になってしまった。
脚を通路側に伸ばせることとすぐにトイレへ行くことができるんだが少々退屈ではある。(夜行便なら寝とけよ)
独立記念日の関係でほぼ満席だったと思う。
僕は高所恐怖症ということもあって、離陸時や着陸時に変な妄想をしてしまい手に汗を握る。もし事故ったらどうしようとかこのまま死んだとしてもまあいいか、みたいなことを考えていても飛行機は無事に目的地へ着くものだ。
厳しいんやら緩いんやらよくわからないセキュリティチェックを受け(指紋を取られてる人もいたが僕は取られず)なかなか出て来ない預け荷物を1時間ぐらい待ってようやく入国。
さあどこへ行こうか。
と思ったが手持ちの金は全部日本円だ。
空港内でマレーシアリンギットに両替してもらう。
(日本から両替すると結構レートが悪いみたいなので現地に着いてから両替するほうがいいみたいです。)
レートは1リンギット28円ぐらいで、2万円を710リンギットにしてもらった。
よくよく考えてみると、これが久しぶりの英語での会話だった。
「えくすちぇんじ、じゃぱにーず、えん、りんぎっと」
こんな感じでだいたい通じると思う。
次はプリペイド式のsimカードを手に入れた。
昆虫を探しに行くのが目的だから地図アプリやらなんやらはいろいろ必要だ。
レンタルwifiルーターなるものが流行ってはいるが、1日千円だとかルーターのバッテリーの心配やらなんやらしないといけないので、正直あまり使いものにならない気がする。
現地のsimは圧倒的に安かった。
7日間で1ギガ。お値段1000円ぐらい(ちょっとうろ覚え)。
旅するならsimフリーのスマホにプリペイドsim突っ込むのがおすすめです。
店のイケメンの兄ちゃんと一連のsimカードのやり取りを終えて思ったことがあった。
売買が成立したときに日本だと「ありがとうございます」やら「おおきに」やら「毎度あり」ってよく言う。
そのイケメンの兄ちゃんは何も言ってくれなかったので、あれ?もう行っていいんだよね?と思った。
このとき初めて買い物をしたときの「ありがとう」の意味がわかった気がした。
売買の取引の終わりを意味していたのだと。
ちょびっと市内観光
空港(KLIA)からクアラルンプール中心部までは50km離れている。
それらを結んでいる電車に乗った。
窓口で買うよりもクレジットカード専用自動券売機で買う方が少しお得だそうな。
QRコードの書かれたぺらぺらの紙切れ切符にちょっと驚きつつ。
電車に乗り込む。
窓の外にあるヤシの木々を見て遠くに来たと実感する。
30分ぐらいでKLセントラル駅に到着。
新宿駅ほどではないけどもなかなかの初見殺し。
26歳になってマジで一人でマレーシア来とる!
てなことを考えながら歩いた。多分かなりニヤけていたと思う。
朝飯がまだだったので、中華料理の店で肉まんを買う。
お値段1.2リンギット。40円とかそんなもん。
そんなこんなでヒンドゥー教の寺院へ辿り着いた。
あとでわかったことだが、僕はスリ・マハマリアマン寺院に行ったつもりだった。しかし、どうやら別の寺院へ行ってしまっていたらしい。(自分の写真とネットに上げてる人の写真を見比べる限り)
ホントに地元の人が礼拝に来る寺院だったのだとしたら、
それは逆に良かったことなのかもしれない。
おそらく観光地化されていない寺院の厳かな雰囲気を味わうことができたからだ。
国旗
街を歩いていると、いたる所に国旗が掲げられている。
ボンネットの上に国旗を掲げた車もちらほら走っている。
この日は8月31日。
マレーシアの独立記念日だから、という理由もあるだろう。
ここでマレーシアの国旗の意味について、
『地球の歩き方 マレーシア 17~18』から引用する。
「左上はイスラム教の象徴である月と星を表し、赤と白の線はマレーシアの13の州と、首都のクアラルンプールを表現している。」
マレーシアはイスラム教徒中心の国家ではあるが、華人やインド人を含む多民族国家だ。
それぞれの民族が同じ国旗を掲げる、ということは何を意味しているのだろうか。
マレーシアの独立はイギリスの植民地支配からそれぞれの民族が協力し合って勝ち取ったものだ。
「それぞれの民族を一つにまとめるもの」
マレーシアにとってはそれが国家というものだろう。
そして、そこには自由や寛容さというものが垣間見える。
反対に、単一民族である日本にとっての国家とは何だろうか。
統制や非寛容さに繋がっていないだろうか。
つづく