マレーシア編 コノハムシを捕まえろ

その名はホテル・サンビームパーム 昆虫放浪記 -コノハムシを捕まえろ- その6

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人との距離感 昆虫放浪記 -コノハムシを捕まえろ- その5前回の記事はこちら。 http://vagabondofbugslife-jpn.com/2018/08/26/malaysia0...

ホテルどこにあんの?

インビ駅に降り立った。

インビはクアラルンプールでも屈指のモール街である。

人通りも多く、何より街全体が明るい。
何も調べずにホテルを予約してしまっていたが、運が良かったと思う。

さて、ホテルへ向かおう。
スマホで通信ができるため、Googleマップでホテルの名前を調べた。
ほう、けっこう近いやん。

Googleマップが示している場所へ辿り着いた。
….何かホテルの名前違ってないか?

僕が泊まる予定のホテルは「サンビームパーム」という名だった。
ホテルの名前が変わったのか?
いやいや、予約したのは最近だぞ。
近くをうろついてみたが、それらしい名前が見当たらない。

そうだ。
Booking.comで予約したときのホテルの地図を見ればいいのだ。
….Googleマップで示してる場所と全然違うじゃねーか!

Booking.comの示す住所のところへ辿り着いた。
….無いよ?

まだ焦るような時間じゃぁない。

夜まで時間はまだまだあるからとりあえず今は予約したホテルを探そう。
ホテルへ向かい始めるのが昼間で本当に良かった。

Booking.comが示していた場所はなかなかアングラ感が漂っていた。
少しうろうろしてから、再びGoogle先生の言うことに従ってみる。

わかんなかったら誰かに聞けばよいのだ。

人に聞くということ

僕は人に尋ねるという行為が苦手だ。
小さいころから人に質問をせず自分で解決策を練る、ということをずっとやってきている。

そうです。
ただの人見知りなんです。

こんな質問するなよだとか、話しかけたら迷惑かな、嫌われるかな、なんてことを質問する前に考えてしまい、結果的に人に質問するよりも自分で解決策練る方が早いなんてことが多い。
これはこれで自分で考えるっていう習慣が身についたような気がするので、一概に悪いとは言えないが。

そして今自分がいる場所はマレーシア。
質問も英語でしなければいけない。しかも通じないこともある。

人見知りにとっては何よりもハードルが高いのである。
(買い物だったら、これ欲しい、いくら?で終わるからね)

こうなったら意地でも人に聞くまい。
と心に誓ってサンビームパームを探す。

Google先生が言っている場所の近くを隈なく探す。

さっき見た違う名前のホテルのすぐ裏側に、ホテルサンビームパームはあった。

あらやだ。

チェックインする

ドアからホテルの中の様子を見ると、薄暗い。
ドアを開けようと思うと鍵も掛かっている。

やってんのか?
と思った矢先、カチリと音がし鍵が開いた。

中に入るとインド系の女性がカウンターで動画を見ながら座っている。

「部屋の予約してたんやけど」
「予約番号見せて」

ついでにパスポートとか色々見せる。

「375リンギットね」

んんん?
なんか予約してた額より大分高くなぁーい??
と思いつつしぶしぶ支払う。

「あんたが一番早くチェックインしたで」
よく聞き取れなかったのでわからないが多分そんなニュアンスのこと言ってたので
適当に僕は笑顔を返し部屋へ向かった。

ストイックなお部屋

部屋に入った。

若干鍵が緩いようなそうでないような。

ベッドが一つ、でかでかと置かれていた。

そしてこの色合いである。

こんな色じゃあ目が覚めちゃうぜ。

wifiが通じるらしいので試してみた。

…通じねえじゃん。

テレビも設置してないので動画でも見て退屈しのぎをしようかと思っていたのに。

エアコンはしっかりと動いたので良かった。

トイレとシャワーは一体である。

画面左の長いホースがシャワー。一応お湯は出る。

奥のホースは東南アジア名物、尻拭きホースである。

トイレットペーパーなどこの部屋には存在しない。

避けては通れぬ話題。

トイレ事情である。

海外旅行をためらう人のほとんどがトイレ事情に拠るものだといっても過言ではなかろう。

それぐらい尻に甘いといわれる日本人にとって切実な問題だ。

僕は今回マレーシアに行くにあたり、ウエットティッシュ、トイレットペーパー丸々1本と、簡易型ウォシュレット(水入れて容器を押すとピューっと水が出る簡単なやつ)を持って行った。

学生の頃行ったインドネシアでの研修で腹を壊し、トイレットペーパーのあるトイレを探し回るなんて地獄を味わいたくはなかったので、どこでも用が足せるように万全の準備を整えた。

しかしである。
僕はマレーシアへ人生を変えに来たのである。

腹もちょうどいい具合である。
…さて。

トイレの横にあるホースを手に取り水を出す。

物凄い勢いで水が飛び出した。
これを直接に当てたら確実に崩壊するであろう。

このホースはウォシュレット的なものではなく、手を洗うためにあるものだ。

左手で拭きとり、水で洗い流すの繰り返し。
こうして僕は、大人の階段をまた一つ上ったのだった。

つづく