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クアラセランゴールへ向かう
昨日はあまり眠れなかった。
カルマやら普段からの自分の立ち振る舞いやらを考えあぐねて頭が冴えてしまったのと、
イスラム教のお祭りか何かでホテルが騒がしかった。
よく眠れなかったからといってホテルでだらだらしている場合ではない。
今日はクアラセランゴールまで行き、マングローブを見るのだ。
クアラセランゴールはクアラルンプールから60kmほどの場所に位置している。電車は通っていないようで、バスで向かうしかない。
川に生息する蛍のイルミネーションが有名だそうで。
蛍は見たかったが、帰りが遅くなってしまうのとカメラで多分撮影できないだろうということで今回は断念。
昨日と同様コンビニで買った体に悪そうなパンを頬張り、バスターミナルへと急ぐ。
うむ。デンジャラスな味。
バス、どこ?
バスターミナルに来た。
ネットでの情報を頼りに、141番と書いてあるバスを探した。
どこやねん。
141番のバス、どこやねん。
バスターミナルとはいえ、日本で言う市バスみたいなものだからかなりハードルが高い。
どこかに案内が書いているわけでもないので、仕方なしにバスの乗務員のおばちゃんに聞いてみた。
「クアラセランゴールに行きたいんやが」
「それならあっちのほうや」
おばちゃんがあっちのほう、と言った「あっち」へ行ってみるが141番のバスは無い。
あれぇ、141番のバスは??
138番だとか数字が近いバスは何本か通りかかるが、141番のバスが来ない。
とっととバスに乗って、クアラセランゴールに行ってしまいたいと思っていたのに1時間近くバスターミナルをうろうろしていた。
うろうろするのも疲れたので、141番のバスが来るまで道端に座って待つことにした。
バスはまだかとぼーっとしていると、目の前でバスが止まった。
なんじゃ?と思ってると、運転手のおじちゃんが
「にいちゃん!どこ行きたいんや?」
と話しかけてきた。
「クアラセランゴール!」
「りjがいおsrjがr、1、0、0!!」
「はい?」
「あいれおfじゃおgrゔぁ@、1、0、0!」
「は?お金?100リンギットってこと?」
「ノンノンノン、にいちゃん100番のバスに乗るんやで!」
「ああ!100番のバスか!141番じゃねぇのかよ」
「せやせや!100番のバスやで!」
「おっちゃんありがとう!」
僕はようやくクアラセランゴール行きのバスに乗れた。
すっからかんの情報
ネットには情報が溢れかえっている。
検索すればいくらでも情報が手に入る。
しかしながら本当に有益な情報というものは手に入りにくくなっている気がする。
適当な単語で検索してみると必ず上位に来るのは、なんたらまとめだとかどこかのキュレーションサイトだったりで、中身がすっからかんの場合が多い。
少し前に、「ニンテンドースイッチ バーチャルコンソール(レトロゲームができるやつ) いつ?」
みたいな検索をした。
検索結果に「ニンテンドースイッチ バーチャルコンソールはいつ導入されるのか調べてみた!」
みたいなのが出てきたのでクリックした。
そこのサイトにはだらだらとニンテンドースイッチの説明や、スイッチの写真を上げている人のインスタグラムなどが貼られていた。
で、いつ導入なの?
と思いながら読み進めると、
結論は「発表されてないのでよくわかりません!」
ん?何が言いたいの?
というように閲覧数で広告収入稼ぎに必死な企業やらの運営サイトが検索上位を占めていることが多々ある。
載せている情報といえば、上記のように内容の無いものや誰かがネットに書いたことをただ単にまとめただけのものだったりする。
学生時代によくネットの情報を鵜呑みにせず、出所元がわかる本を大事にしなさいとよく言われたものだが、僕が学生時代だったときのネット情報よりも現在の方が更に信用できないものになっている感が否めない。(マニアックな個人サイトとかどこ行っちゃったんだろう。『スターウォーズの鉄人』は健在で嬉しい)
自分の目で確かめる
僕はネットに書いてあった「141番のバス」の情報に踊らされてしまった。
「141番のバス」は実際にクアラセランゴールまで行ったという人の書いた情報ではあるのだが、海外の情報はすぐに信用せず直接自分で確かめるのがいい。
少しは疑いの目を持って、「141番のバス」でクアラセランゴールまで行けるのか現地の人にすぐに聞いてみるべきであった。(人見知りが災いした)
誰かが言っていたという情報を鵜呑みにせず一度は疑ってみて自分の目で確かめてみるという行為をいつの間にか忘れてしまっていないだろうか。
ネットで検索すれば即座に答えが見つかってしまうため、少し考えてみるという時間を奪われてはいないだろうか。
僕は「少し考えてみる」という時間が完全に奪われていた。
ネットで簡単に情報が拾えてしまう現在だからこそ、疑って少し考えるという行為が大事だろう。そして、自分の目で見て実際に確かめてみるのだ。
近頃VRという仮想現実が流行っているが、どんな仮想現実も現実にはかなわない。
映画の中で見るどんな風景も、実際に目で見る風景にはかなわない。
『いってみようやってみよう』
懐かしいですね。
つづく