前回の記事はこちら。
さて、社会に対して言いたいことを映画にするのはよいとして、
問題は映画を作った後どうするかが一番大事だったりする。
完成された映画が誰かに観られなければ結局のところ作っていないのと同義だろう。
無名の自主映画監督が作った映画を観てもらうには具体的にどうするのか。
自分がやっていたことを書いてみようと思う。
人に観てもらう方法は何パターンかあって、
・YouTubeにアップする
・映画コンペに出して賞を獲る
・場所を借りて上映会をする
順番に考えていこうと思う。
YouTubeにアップする
映画を作ったのならまずはYouTubeに上げたいところではあるが、そもそもYouTubeは検索での流入が大きいからどれだけ面白いの作っても再生はあまりされない。
映画のタイトルだけ書いてアップしても何の意味もなくて、少なくとも「自主映画」とかのキーワードは入れた方がいい。
とはいえ、「自主映画」と検索する人はそれほどいない。
されたとしても動画がありすぎて検索結果に表示すらされない。
そもそも誰が作ったのかわからない動画を20分30分長々と観てくれる人はあまりいない、ということをYouTubeに映画アップして思ったのである。
YouTuberにでもなって自分の作った映画を見てもらう、ということも考えゲーム実況なんかも始めたりしたこともあったが、スマホのゲームのガチャ動画を毎日撮ってupする作業があまり楽しめず(低評価だらけでコメントもムカつくことが多かったので)諦めた。
最初の視聴者である自分が楽しんでなくてどうするのだ。
映画コンペに出して賞を獲る
有名な映画監督になる一番の近道は映画コンペに出して賞を獲ることだ。
賞さえとってしまえば、上映会やらなんやらは運営側に任せてしまえばいいし、業界人にも見てもらえることができる。
しかし、である。
賞を獲ることが自主映画の第一の目的にいつの間にかすり替わってしまう。
自主映画の本来の目的は、お客さんに映画を観てもらって何かしらを考えてもらうことだろう。
僕は「ぴあフィルムフェスティバル」に応募しつづけた期間があった。
震災に遭ったときのいろいろ考えたことを映画にし、それを応募した。
そのときの映画の予告編がこちら。(なんか今見ると恥ずかしい)
内容的には、明日放射能で世界が覆われるらしいんだけどみんなどうする?みたいな感じであった。
で、審査員から返ってきたコメントが、僕のこうした震災についての思いに対しての感想では全くなく、ただ単に映画の内容もうちょっとこうした方がいいんじゃない?みたいな内容なのであった。
いや、僕は映画のできとかストーリーの面白さを観て欲しいんじゃなくて、「あなたがこういう状況に置かれたらどうします?」っていうのを聞きたかったんやが。
という気持ちが強かった。
それに審査員は一般のお客さんではなくて、映画の業界人である。
専門家に観てもらうだけで、一般の人に観てもらえない映画の存在意義って何だろうか?
場所を借りて上映会をする
本当に映画を観てもらいたいのならば、場所を借りて上映会をするのが一番だろう。
僕はせんだいメディアテークのスタジオシアターで何回か自主上映会を開催したが、そこそこの客入りで(友達が多かったが)良い上映会になったと思う。
自分の作った真っ直ぐなものを素直に一般のお客さんに観てもらえる。
会場内で映画の制作秘話や、映画に込めた思いなどを話して直接お客さんとコミュニケーションが取れるのはなんとすばらしいことか。
会場代などでお金はかかってしまうし、おひねり的な形でお金もらうだけなので赤字になってしまうが、それでも映画コンペに出すだけ出して終しまい、ってよりは随分良いことだ。
渡辺文樹のような上映会を開催することで有名になっている映画監督だって存在しているのだ。
僕は自主映画の上映会を仙台だけで終わらせてしまったが、
東京でも下北沢トリウッドなどで上映会を機会があればいつかやってみたいなと思う。