台湾編 線から点へ

衝動で動くマン 昆虫放浪記 台湾編 〜線から点へ〜 その1




今年こそ

2018年がやって来た。
東京にやって来て4年目となる年である。
今年こそ人間としてちゃんとしようと思う。
僕は神社でそう祈願した。(うろ覚え)

ちゃんとする前に最後の打ち上げ花火だ。
手が勝手に飛行機のチケットをポチっていた。

なんで台湾?

マレーシアへ行った後しばらくして学生時代の友人から、数人でどこか旅行へ行こうと誘われた。その候補として台湾が挙げられた。

協議の末、台湾行きはボツとなった。
料金の安い飛行機の時間は早朝であるため、平日の深夜にチェックインという社会人にとってはちと荷が重いスケジュールになるからという理由だ。

結局その旅行計画は国内となり、僕は参加せずに終わってしまった。(絶望的にお金がないことに焦りを感じたため)

お金がないことに焦りを感じた僕は、食費を削ったりもろもろ断捨離していろいろしてなんとか凌いだ。

ちょっとストイックに生活をしていたら意外と余裕もでき、飛行機の値段も程よい感じだったので台北行きのチケットを買う。



昆虫ありきで行き先を

僕はさっそく台湾の昆虫のリサーチを始めた。
リサーチする中で一番目を引いたのがキシタアゲハという蝶だった。
どうやらその蝶は東アジアを代表するトリバネアゲハの一種らしい。

とにかくめちゃくちゃ格好いい。
僕はキシタアゲハの撮影を目標に、
行き先を台湾南端の街、墾丁(ケンティン)へと定めた。

行き先を決めたのは良かったが、なかなか旅程が決まらない。
確実なのは飛行機の時間のみ。
とりあえず一旦のところ墾丁のホテルを予約した。

墾丁へ行くまでのルート取りにも結構悩んだ。
台北から高雄へバスか新幹線で向かい、高雄からバスで2時間ほど。

台北から高雄までバスで向かうか、新幹線で向かうか。
バスだと5時間、新幹線だと1時間半。

飛行機で疲れていたら新幹線、大丈夫だったらバスにしよう。
いや、1時間半でさっさと高雄へ行って少し観光しよう。
いやいや、バスの方が安上がりだろう。

僕の性格上、行き当たりばったりで物事を決めるのが好きらしい。
どう行くかは気分で決めることにした。

あとで気が付いたことだが、そもそも飛行機のチケットを成田-高雄にしておけば時間もかからずに済んだのかもしれない。
(羽田-高雄の直行便はないらしい)



衝動で動いてしまうこと

チケットを買う前にリサーチしていれば良かったのであるよ。
僕は時として衝動的に物事を決めてしまいがちだ。
人生を変えてしまう出来事であったとしても。(マジで反省)

就職先として決まっていた職場へ初日から行かなかったり、何日か働いて突然姿をくらますなんてことを何回もやった。
『深夜特急』の著者、沢木耕太郎氏も雨が降ったからという理由で入社初日にバックれをかましたらしい。
真似しようとしたわけではないが、多分僕は沢木耕太郎氏と同じ気質なのかもしれぬ。
(ただのバックれマン。この辺の内容についていつか書きたい)

しかし思うのであるが、
物事を決める上で時として冷静さは判断を鈍らせる。
僕が冷静さを欠かず慎重に物事を決めるタイプだったとしたら、何もできない人間になっていたと思う。(基本ビビりなので)

冷静になったり後先考えたりせず、時には思い切って飛び込んでみるってのも大事。
まあ冷静さを失わずして立ち向かう勇気があるっていうのが理想ではあるが。
とはいえ僕は別に何かを成し遂げたわけでもなく、ただ地を駆けずり回りようやく這い上がり始めたところなわけでして、ただ台湾へ1人で行っただけの話である。

I am 凡人。
イェア

つづく