台湾編 線から点へ

トイレでトラブったので筆談をしてみた件  昆虫放浪記 台湾編 〜線から点へ〜 その8

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トイレ行きたい

トラブルが起きた。
ホテルのトイレの扉がずっと閉まったままなのである。

トイレは共同で、4カプセルルームごとに1つシャワーとトイレがついている。
夜にトイレに行こうとすると毎回誰かが入っている。
10分ごとにトイレを覗き込んでも空く気配がない。
何かがおかしい。腹の調子もおかしい。

僕はトイレをノックした。
返事がない。
流石にドアノブをガチャガチャやれば返事するだろうと思い、
試みるもうんともすんともしない。

腹が限界に近づいていたので、別の部屋のトイレで用を足した。

部屋に戻った。
鍵が壊れている説を僕は考えた。
思い当たる節があった。

僕は数時間前、トイレのドアを開けた。
ものすごい勢いで中から閉められた。
用を足している最中の人がいるのに扉を開けてしまうという粗相を僕はした。
こりゃ失敬。

実際にトイレに入って鍵を閉めてみると、閉まってるのかそうでないのかがよくわからなかった。
鍵はスライド式のものではなく、回すタイプのもので、
鍵を回すはいいがドアノブを普通に引っ張るだけで扉が開いてしまうという状態であった。

常に誰かに扉を開けられる恐怖と戦いながら用を足さなければならなくなっていたのである。

鍵は壊れていたのだ。



夜明けの筆談

午前5時ごろに目が覚めた。
トイレへ行くと、案の定鍵はかかったままであった。

これは流石に誰かが篭ってるはずがないので、ホテルの人に話そうと決意。
英語で話しても伝わらなさそうなので、漢字で筆談すれば案外伝わるんじゃないかと思ったので、実践する。

一応トイレを中国語でどう書くかだけ、Google先生に聞く。
「洗手」とな。

メモ帳に
「洗手 鍵 壊?長時間 閉」
と書いて、ホテルの受付の兄ちゃんに見せた。
一応トイレまで行き、壊れてるよと説明。

バイトで雇われてる感じの兄ちゃんで、夜勤で眠たかったからなのか、
「違う部屋のトイレ使いなよ」
とだけ言われた。

うん、まぁ、いっか。

つづく