ベトナム編 深夜特急に乗って

ベトナムは意外と難易度が高い 昆虫放浪記 ベトナム編 -深夜特急に乗って-




長期休みは海外遠征したい

2018年9月に、まとまった休みが取れることになったので、
これはどこかへ行くしかないと思い、飛行機のチケットを取ることにした。

どこへ行くのが良いだろうか。

マレーシアへもう一度行くことも考えた。
キャメロンハイランドに行って今度こそコノハムシを撮りに行く。
それもいいなと思った。

しかしながら、やはり行ったことのない国を見てみたい。

学生の頃から一度は行ってみたいと思っていた国があった。

ベトナムである。

学生の頃に所属していた写真部で「ベトナム会」という生春巻きだとかそういうベトナム料理を食べる会なんかをやったり、写真部の仲間にベトナム人留学生の女性がいたり、「水曜どうでしょう」のベトナム編が好きだったということもあり、なんとなくベトナムには縁があったように思う。

9月というとベトナムはだいたいの場所が雨季にあたる。
しかしながら北部は比較的降水量が少ないらしい。

ベトナム北部、ハノイに行くことに決めた。

仕事の休憩中、ハノイへの便はいくらぐらいだろうかなんて思いながらスカイスキャナーで航空券を調べていると、偶然にも往復37,000円の直行便チケットを見つけてしまった。

本当に偶然であった。
たまたまその時1日限りでセールをやっていたらしい。
今買わないと絶対に無くなると思ったので、その場でポチった。




なんか難易度高くね?

ハノイ行きの航空券は買えた。
さて、どこへ行けばいいのだろうか。

ほぼ確実に昆虫がいるであろうハノイ付近の大きな国立公園へ行くのもいいと思ったのであるが、交通の便があまり良くないらしく、車を借りるか、タクシーをチャーターするしか他にないらしい。相場がまるでわからない。

「水曜どうでしょう」のように原付を借りて行くことも少し考えたが、乗りなれぬ原付で雨も大量に降るかもしれない道を行くのはリスクが大きすぎる。

下調べの段階で感じたことは中心部から離れたところへ行く方法が車以外に無いことだった。
そもそもハノイのノイバイ国際空港からハノイ市街地へ行くのにもタクシーかバスで行くしかなく(所要50分程度)、空港と市街地を繋ぐような電車は無い。

バスや車で頑張って遠くの国立公園まで行くのもアリっちゃアリなんだが金と労力がかかりすぎるなとも思いつつ。

そんな中、比較的楽に辿り着けそうで、なおかつ昆虫がいそうな秘境があった。

「サパ」である。(地図のピン止めしてあるところ。)

山一面に広がる棚田は圧巻で、しかも9月ごろは黄金の稲穂を拝むことができるという。
そして「サパ」にいる昆虫を調べてみると、「オウゴンテングアゲハ」という超カッコいい蝶がいるらしい(蝶だけに)。

これは行くしかない。

ベトナムでの旅程が決まったのは出発の1週間前のことであった。




なんか予定きつくね?

行く場所は決まった。
何を使ってどうやってサパへ向かうかが問題である。

うっかりしていたことであったが、買った航空券をミスってしまった感は否めない。
往路は羽田16時30分ごろ発ハノイ19時45分着、
復路はハノイ8時ごろ発羽田16時ごろ着というなんとも微妙な航空券であった。

飛行機だけでほぼ2日潰れてしまうものだった。
そして致命的だったのがハノイに夜到着してしまうことだった。

ハノイ中心部からサパへ向かう深夜バスは21時が最終だった。
19時45分に飛行機が到着しハノイ中心部まで向かうのに50分もかかるのであれば、21時など間に合うはずがない。

しかし限られた時間を無駄にはしたくなかった。

もう少しよく調べてみると、ハノイから出る寝台列車に乗りラオカイという街へ行きそこからサパへ向かうというルートがあった。
寝台列車の出る時間は22時。
もしかしたら間に合うかもしれない。
そう思い、寝台列車のチケットを予約した。

もしも列車に間に合わなかったら、ということも考えた。
流石に日本とは違うので夜遅く一人で街をうろつくのはリスキーだ。
念には念を入れ、ハノイ中心部に宿を取り、ついでに早朝サパへ向かうバスを予約した。

列車に乗れないというハプニングを楽しんで自力で宿を探す、というのも旅の醍醐味ではあるのだが、(ブログのネタにもなるっちゃなる)あくまでも昆虫を撮るというのが目的であるから保険をかけておくのも悪いことではあるまい。

こんな調子で僕はベトナムへと旅立った。

つづく
その2 夢が夢で終わる人生