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線から点へ
美味しい朝食をいただいたあと、
墾丁国家森林遊楽区へ行くことにした。
ホテルから墾丁国家森林遊楽区まで歩いておよそ1時間以上かかってしまいそうなので、(google mapのピン留が泊まったホテル、ブックマークが墾丁国家森林遊楽区)
どうしようかと頭を抱えていたわけである。
仮に歩いたとして、たどり着くのが目的になってしまい、虫の写真を撮るのが疎かになってしまうのではないかという懸念があった。
さて、どうするか。
電動バイク…?
ホテルに入る前に出会ったレンタルバイク屋の兄ちゃんから借りるとするか。
台湾編の題名を「線から点へ」としたのは以下のような理由である。
虫の撮影をするにあたり、僕は線での移動をしてしまうことが多かった。
「とある虫が生息する場所まで歩くこと」自体が目的になってしまい、歩いたことによって「とある虫が生息する場所での撮影」を行う体力がなくなっていた。
これでは何のために虫を撮りに来たのかわからなくなってしまう。
その例がこちら。マレーシア編でのひとコマ。
嵐は近し。歩けよ乙男 昆虫放浪記 -コノハムシを捕まえろ- その16
まあ見知らぬ土地を自分の足で歩き続けるというのも悪くはない。
だが今回は線での移動は止めて点での移動を中心にし、虫を撮ることに集中した次第である。
ドラえもん号に跨がって
台湾では中国語版の新旧二つのドラえもんが朝から放映されている。
何を言っているのか全くわからないにも関わらず内容が入ってくるから小さいころから見ていたアニメの力はすごいものであるよ。
墾丁国家森林遊楽区の開園時間が近づいて来たのでホテルを出る。
昨日いたバイク屋の兄ちゃんは朝がまだ早かったのか、不在。
歩いて行こうかなと少し考えていると、『殺人の追憶』とか『グエムル -漢江の怪物-』に出てるソン・ガンホという韓国の俳優に似たおっちゃんに声をかけられた。
「兄ちゃん電動バイク借りるか?」
「おいくら?」
「夕方6時までで500元、9時までで600元」
「ほな6時までのにしとくわ」
と言って500元支払うと、
運転免許証かパスポートある?と聞かれたので、免許証を差し出すとバイクの身代わりとして取られてしまった。
「チョットマッテロ」
とおっちゃんは日本語で言い放ち、どこかへ消えた。
しばらくして、おっちゃんはドラえもんのシールが貼られた電動バイクに跨がり戻って来た。
明らかに他のバイクと比べてボロいのであるが、
まあドラえもんだからいいか、と自分に言い聞かせた。
おっちゃんに乗り方をレクチャーしてう。
原付的なものは久しぶりに乗るのでエンジンを吹かせたときの勢いに少しビビる。
よたよた進んでいたので、僕の後ろでレンタル待ちをしていたカップルに笑われてしまった。
バツが悪かったので、
「じゃあ行ってくるわ」と
ちょっとカッコつけてその場を去った。
体を馴らすために懇丁の大通りをぐるぐる走った。
走ってるうちにやたら風が耳に響くなあと思ったが、そういえばヘルメットを貸してもらっていなかった。
おっちゃんのバイク屋を通り過ぎると、
後ろに並んでいたカップルは綺麗なバイクとヘルメットをそれぞれ貸してもらっていた。
つづく